中四国エイズセンター

中四国ブロックのエイズケアの包括組織

一般・患者の皆様へ

FOR GENERAL

お薬を飲んでいる方へ

薬・服薬の防災対策

災害時の医療体制

2018年7月、西日本を中心に台風7号および梅雨前線の影響による西日本豪雨が発生し、各地に甚大な被害をもたらしました。
災害により交通が遮断し、通院に支障が出る可能性は十分にあります。東日本大震災の時にも抗HIV療法を受けている患者のうち24.1%が通院に支障が出ており、20.7%で震災直後に薬の保管場所や水や食事の確保、人目など服薬に何らかの支障が出ていました。実際に服薬中断せざるを得なくなることもありますし、多くの人が服薬の継続に不安を感じていたようです。1)
では、このような大きな災害が発生した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
災害拠点病院では大きな災害が発生した当日よりDMAT(災害派遣医療チーム)が出動し、その後JMAT(日本医師会災害医療チーム)などが体育館などの避難所の救護所で活動するなど被災地にて支援活動に取り組みます。
しかし、避難所の救護所でできることには限りがあります。医薬品に関しては、普段服用している常用薬と同じ薬を処方できるとは限りません。特に抗HIV薬をはじめから準備している救護所は無いに等しいと言えるでしょう。降圧剤ですら同じ薬を継続できるかどうかわかりません。
そのため、抗HIV療法を受けている本人が災害時の対応について備えておく必要があります。

  • 今自分が飲んでいる薬の名前を言うことができますか?
  • お薬手帳を持っていますか?
  • やむを得ない時のお薬の中断方法を知っていますか?
  • 災害時の対応を理解できていますか?

上記の質問に答えられるよう、通院している病院やお薬をもらっている薬局で確認しておきましょう。

緊急避難時の医療関連持ち出し品リスト

  • 保険証
  • 常用薬
  • お薬手帳
  • 障害者手帳
  • 医療費助成の受給者証

災害時の対応
抗HIV薬を入手できない緊急時の対応について

  1. 医療者に災害時の対応を確認しておきましょう。
  2. 原則として抗HIV薬は中止すべきではありません。
    主治医と連絡を取れるよう努め、連絡が取れた場合は指示に従ってください。
抗HIV薬を入手できない等緊急時の対応

抗HIV薬に関しては、手持ちのお薬が無くなるまで継続して飲み切り(2種以上ある場合は、1剤を飲み切った段階で全ての抗HIV薬を同時に中止してください)、その後は受診できるまで抗HIV薬は内服しないでください。

【注意事項】
  • 薬が足りなくても、受診日まで薬をもたせるために日をあけて飲んだり、2種以上ある内の1剤だけ飲んだりしてはいけません。
  • 中途半端な飲み方をすると薬剤耐性ができて薬が効かなくなる可能性があります。
  • あくまでも災害時等に医療機関を受診できない時の短期間の緊急対応です。

お薬手帳の役割

お薬手帳の役割としてお薬の内容だけでなく、アレルギーの有無、かかりつけ病院や処方医師の名前、調剤薬局や薬剤師の名前が記録されています。緊急時にはいつもと違う病院や診療所を受診することになるかもしれません。医師が患者の正確な病状を知る手がかりとなるので、処方薬のシールを貼付するだけではなく、アレルギー歴等も記載して保険証などと一緒に携帯しておくと安心です。

参考文献

  1. 佐藤真希,阿部憲介,伊藤俊広,諏江裕,山本善彦:東日本大震災の経験から考える災害時の抗HIV薬供給と服薬支援策の課題.日本エイズ学会誌16:105-109,2014
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