エイズとは?
エイズ(AIDS)とは、英語のAcquired Immuno-Deficiency Syndromeの頭文字をとったものです。
日本語では「後天性免疫不全症候群」と訳されます。
- A
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Acquired 後天性:生まれつきではなく
- I
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Immune 免疫:体を異物から守るシステム
- D
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Deficiency 不全:うまく働かない
- S
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Syndrome 症候群:様々な症状
エイズ(AIDS)とは、英語のAcquired Immuno-Deficiency Syndromeの頭文字をとったものです。
日本語では「後天性免疫不全症候群」と訳されます。
エイズは、HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)が感染することによって起きます。
エイズウイルスの正式名はHuman Immunodeficiency Virus (HIV)で、1型と2型があります。
免疫とは「体を異物(病原体やがん細胞)から守る仕組み」であり、HIVに感染することで、この免疫が破壊されていきます。
体を異物(病原体や癌細胞など)から守っている仕組みです。
白血球(特にリンパ球)が、その役割を担っています。
HIVは体の細胞全てに感染する訳ではありません。CD4と呼ばれるタンパク質を持った細胞に特異的に感染します。CD4は主にリンパ球の一部に存在し、免疫の中心を担っています。
リンパ球(CD4リンパ球)とは、白血球の種類のひとつで細菌やウイルスを攻撃する司令官として、免疫の中心を担っています。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がCD4リンパ球に感染します
HIVは感染したCD4リンパ球の中で増殖し、細胞外に出ていきます
HIVを産生した細胞は平均2-3日で壊れてしまいます
この状態が数年続きますと、結果としてCD4リンパ球の低下→免疫能の破綻(免疫不全)が起きます。免疫不全の状態が続くと体を異物から守れなくなり、様々な感染症・腫瘍を引き起こすようになります。この状態を“エイズ”と言います。ですから、“HIV感染”=“エイズ”ではありません。
HIV感染してから治療もせず数年から10年程度経過すると、エイズになるということです。
エイズになったからと言ってもすぐ死亡するわけではありません。
なかなか治療しにくい疾患を起こすことはありますが、多くは治療可能な病気です。
しかし、エイズの状態になる前に感染しているかどうかが分かれば、治療も比較的楽に行うことができます。
性行為による感染は最も多い感染経路です。HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通ってうつります。
HIVが存在する血液の輸血、または覚せい剤などの依存性薬物の“回しうち”による注射器具の共用などによって感染します。日本では現在、献血された血液は厳重な検査により最高水準の安全が確保されています。しかしながら、輸血用血液は、現在の技術ではきわめて稀とはいえ、感染の可能性を完全には排除できません。なお、血液凝固因子製剤については加熱処理(昭和60年7月以降)が行われているので、現在の血液製剤で感染する心配はありません。
母親がHIVに感染している場合、妊娠や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。母乳による感染の例もあります。 日本では、お母さんがHIVの治療薬を飲むことや母乳を与えないことで、赤ちゃんへの感染を2%以下におさえることができます。
※「限られた感染経路」は財団法人エイズ予防財団「HIVエイズの基礎知識」から引用しました。