有害事象 Adverse event
【概要】「治療や処置に際して見られるあらゆる好ましくない徴候、症状、疾患、検査値異常であり、治療や処置との因果関係は問わない」と定義されている。有害事象は必ずしも治療や処置によって起こったものとは限らない。しかし有害事象をきちんと記載・報告すれば、類似の症例集積で有害作用と気づくことがある。日本での主な拠点病院で使用した抗HIV薬については、HRD(HIV関連薬)として市販後10年間まで報告することが義務づけられている。有害事象の程度は、0〜5の6段階に分けられている。
Grade 0:正常。
Grade 1:軽度、つまり治療を要さない、症状がない異常所見・検査値異常。
Grade 2:中等度、つまり最低限の治療/局所的治療/非侵襲的治療を要する。
Grade 3:高度、つまり入院や侵襲的治療/輸血/治療的内視鏡/手術などを要する顕著な症状を有する。
Grade 4:生命を脅かす代謝性/心血管系の合併症など、集中治療や緊急処置などを要する、または後遺症を残す状態。
Grade 5:有害事象による死亡。