労務災害補償 Compensation for occupational HIV infection
【概要】医療従事者が事故によりHIVに感染する可能性が指摘され、(1)感染してしまった事例に補償を定めた。平成5年10月29日づけで労働省から通知が発表された。MRSA(耐性ブドウ球菌)とHCV(C型肝炎ウイルス)とともに、業務上の疾病として取り扱われることとなった。さらに平成22年から、(2)確定したHIV感染者の検体に曝露した後、検査や予防治療を行うことも適用となった。この場合は受傷者が結果として感染成立しなくてもよい。HIVに感染したら定期的な検査や発症予防治療を行うので、症状の有無に拘わらず疾病として取り扱い保険給付が行われる。(1)の認定のためにはHIVに汚染された血液などを取り扱う業務に従事し、接触事実が認められ、6〜8週以後にHIV抗体が陽性と診断され、業務以外の原因がなければよい。つまり事故当時にHIV陰性であった証明は必ずしも必要ではない(証明できない人を救うため)。(2)の場合は曝露源の患者にHIV感染があることを明記することが必要である。