ガーダシル® Gardasil®
ヒトパピローマウイルスに対する『HPVワクチン」の商品名。詳細は、『HPVワクチン』を参照。
ヒトパピローマウイルスに対する『HPVワクチン」の商品名。詳細は、『HPVワクチン』を参照。
【概要】臨床心理学的視点から相談者の支援を行う専門職。「心理職」「心理療法士」などと呼ばれることもある。カウンセラーの業務は、心理相談・心理学的援助、心理査定、心理療法とされている。HIV医療においては、HIV検査受検者への心理支援、患者や家族・パートナー等への心理支援、認知機能や心理状態のアセスメントなどの役割を担っている。『HIVカウンセリング』『派遣カウンセラー』を参照。
『HIVカウンセリング』を参照。
【概要】HIVのウイルスRNAを包み込む殻のことである。カプシドによってHIVのウイルスRNAが保護され、細胞にウイルスRNAを運搬する。
【概要】カプシドの機能を阻害する薬剤のこと。『Lenacapavir』の臨床試験が進んでいる。
【概要】略称KS。血管やリンパ管の内側を裏うちしている細胞(=内皮細胞)から起こる悪性腫瘍でエイズ指標疾患である。腫瘍組織からHHV-8が証明されている。また免疫不全と関連があり日和見腫瘍と考えられる。強力な抗HIV療法の時代となって発生率は著しく低下した。
【症状】皮膚・粘膜に原発し、次第に全身に転移する。出血斑のような外見、平坦から盛り上がり癒合し潰瘍を作ることがある。美容的な問題が大きい。リンパ浮腫を伴う咽頭や下肢・足底では疼痛がある。進行した免疫不全、内臓転移、発熱・盗汗・体重減少の全身症状を伴うものは予後が不良である。
【診断】(1)確定診断: 生検組織による病理診断。(2)臨床的診断:肉眼的には皮膚または粘膜に、1)特徴のある紅斑あるいは、2)すみれ色の斑状の病変をみとめること。ただし、これまでカポジ肉腫を見る機会の少なかった医師は推測で診断しない。(3)病変の広がりについては、レントゲン、内視鏡、CT検査、ガリウム・シンチグラフィーなど。
【治療】病期が進展していないものでは抗HIV療法のみで寛解に至ることが多い。進行例に対する確立された治療法はない。局所的な(1)放射線療法、(2)液体窒素による凍結療法。(3)ビンブラスチンの局注を行う。全身や内臓に転移したものには、(4)抗癌剤:リポ化ドキソルビシン(Doxil:ドキシル)。他にエトポシド、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシンなどを単独あるいは併用で使用する。抗HIV療法は同時に行うが、HHV-8に対する免疫再構築症候群が発生することがある。
【商品名及び略号】Apretude、Vocabria CAB
【用法・用量】Apretudeは注射薬で600mg(3mL)を1ヶ月に1回筋注を2回行い、その後は2ヶ月に1回。Vocabriaは経口薬で1回30mgを1日1回経口投与。
【概要】抗HIV薬。インテグラーゼ阻害薬。本邦未承認。Vocabriaで開始後、Apretudeへ移行する。
【概要】日本語にすると“名乗り出る”こと。昔、サンフランシスコ市のゲイ活動家、ハーベイ・ミルクが、ゲイ差別に抵抗して市議会議員に立候補した。この時にかかげたスローガンが“Come out from the closet!(押入から出ようぜ!)”だったという。以来、マイノリティーで偏見や差別にあっている当事者が、名乗り出てくる時に使う言葉になった。
昔はPneumocystis carinii pneumoniaだったが、Pneumocystis pneumonia『ニューモシスチス肺炎』に名称が変わった。『ニューモシスチス肺炎』を参照。
『G-CSF』を参照。
【概要】悪性腫瘍の一つ。発生学上、上皮性の悪性腫瘍を癌と呼ぶ。癌は正常な調節を振り切って増殖し続け、周囲の組織を邪魔し、さらに遠くに飛び散って(=転移)、遂には生体を死に至らしめる。発生した元の臓器の名前をつけるので、胃癌、肺癌、子宮癌などとなる。癌細胞を引き起こす特有の遺伝子がみつかる例では、遺伝子検査が診断や治療の経過に応用される。
【商品名及び略号】デノシン®点滴静注用 GCV
【用法・用量】注射薬のみで点滴として使用。初期治療では5mg/kgを1日2回、1時間以上かけて14日間点滴静注する。維持療法は6mg/kgを週に5日もしくは5mg/kgを1日1回点滴静 注、CD4細胞数が100以上を3-6ヶ月以上継続するまで継続。網膜炎には硝子体内注射をすることがある。
【概要】サイトメガロウイルス感染症治療薬。
【概要】日和見感染症の一つでカンジダによる感染症。特に多いのはカンジダ・アルビカンスによる口内炎、食道炎、腟炎など表在近くのもの、そして肺炎、肝炎、脳炎、骨髄炎、網膜炎など深在性のものもある。食道カンジダ症はエイズ指標疾患の一つで頻繁に経験される。
【診断】(1)確定診断:1)内視鏡もしくは培検による肉眼的観察によりカンジダ症を確認、2)患部組織の顕微鏡検査によりカンジダを確認(2):臨床的診断嚥下時に胸骨後部の疼痛があり、以下のいずれかが確認される場合。1)肉眼的に確認 a.紅斑を伴う白い斑点 b.プラグ(斑)2)粘膜擦過標本で真菌のミセル様繊維を顕微鏡検査で確認できる口腔カンジダ症が存在。3)深在性感染では血中β-Dグルカン定量が参考になるが、カンジダ以外でも陽性になる。
【治療】(1)食道炎:フルコナゾール(ジフルカン)を内服。(2)全身性や深部の場合:ジフルカン、ホスフルコナゾール(プロジフ®静注液)。無効の場合は、ミカファンギンナトリウム(ファンガード®点滴用)、ボリコナゾール(ブイフェンド®錠、ブイフェンド®静注用)、アムホテリシンB(ファンギゾン®シロップ、アムビゾーム®点滴静注用)の点滴静注を行う。
【有害作用】フルコナゾールとホスフルコナゾール:肝障害。アゾール系剤はCYP3A4の阻害作用のためプロテアーゼ阻害薬との間に薬物相互作用あり。アムホテリシンB:寒気、発熱、頭痛、皮疹、吐き気、嘔吐、肝障害、腎障害、貧血、低カリウム血症。
『割礼』を参照。
【概要】感染症法では感染症を5つに分類して、それぞれの対策の概要を決めている。1類感染症:感染力、罹患した場合の重篤性から判断して危険性が極めて高い感染症でエボラ出血熱など。2類感染症:危険性が高いもので急性灰白髄炎など。3類感染症:特定の職業への就業によって集団発生を起こす可能性があるもので、腸管出血性大腸菌感染症など。4類感染症:動物、飲食物などの物件を介して感染し、国民の健康に影響を与えるおそれがあるが、ヒト-ヒト伝播はないもので、ウェストナイル熱など。5類感染症:国が発生動向の調査を行い、その結果に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に知らせることによって、発生や蔓延を防ぐべきもの。エイズは5類感染症で診断した医師は1週間以内に所轄保健所に届けなければならない。また既知の感染症の中で1〜3類に分類されていないが、これに準じた対応の必要性が生じた感染症を、指定感染症と言って、独自の対応策がとられる。2019年末からパンデミックとなった新型コロナウイルスがそれに当たる。
【概要】正式な名称は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で平成11年4月に施行。患者の人権尊重と、社会を守ることを両輪としている。昔の伝染病予防法、性病予防法および後天性免疫不全症候群の予防に関する法律、結核予防法を廃止・統合したもので、すべての感染症を対象としている。内容は国際的な協力の他に、公衆衛生基盤の再構築、個別感染症対策、国立感染症研究所の機能強化、サーベイランスの強化、研究の推進と人材養成などが重要とされている。また総合的な予防施策を推進する必要があるとして「特定感染症予防指針」を作成し公表するとなっている。
【概要】感染の予防は、病原体と感染経路の知識が大切。物理的な処置(マスク、ゴーグル、手袋)、隔離、洗浄、焼却、廃棄、消毒、薬剤の予防的使用、ワクチンなどがある。HIVの場合、医療現場では特別な場合を除いて隔離の必要はない。HIVの感染経路別での予防対策では、(1) 針刺し事故や、危険な性行為後に一次予防として抗HIV薬の予防的内服が行われ曝露後予防という。(2)輸血用血液製剤については感度の高い検査を実施する。(3)麻薬(注射薬)使用者に対して海外では代替薬の配布や注射器と針の交換プログラムが実施されている。(4)性行為感染ではコンドーム使用の励行や無料配布、教育とカウンセリングで行動変容を図る努力が行われる。その他、包皮の環状切除(割礼)、抗HIV薬の予防内服(曝露前予防)が行われている。感染予防のワクチンは臨床試験中である。
【概要】HIVの感染危険行為によって感染が成立する率は異なる。これは体内に侵入するウイルスの量によるもので、体液中のウイルスの濃度×体液の量と比例している。性行為1回あたりの感染率は、ペニス→口:0.01〜0.06%、腟→ペニス:0.03〜0.09、ペニス→腟:0.05〜0.15、肛門→ペニス:0.06、ペニス→肛門:0.8〜3.2である。その他1回あたりの感染率医療者の針刺し事故:0.24〜0.32、注射器・針の共用:0.5〜1、母→新生児(薬なし):15〜45、母→新生児(+AZT):5〜15、母→新生児(+ART):0.1〜1.5、輸血(未治療者のドナー血):80〜95。口→ペニス・口→肛門・口→腟は低すぎて計算できない。
【概要】臨床検査の用語。「ある検査で陽性と判定されるべきものを、正しく陽性と判定できる確率」。感度が高いとは「陽性と判定されるべきなのに、間違って陰性と判定される可能性が低い」ということになる。逆に感度が低いとは「陽性と判定されるべきなのに、陰性として見落とされることが多い」ということ。逆に、陰性のものを正しく陰性と判定できることを特異度という。感度を上げれば偽物が混じるので特異度は下がり、特異度を上げれば感度が下がる。