アイセントレス®錠
【略号】RAL
【概要】抗HIV薬。インテグラーゼ阻害薬『ラルテグラビルカリウム』の商品名。詳細は、『ラルテグラビルカリウム』を参照。
【略号】RAL
【概要】抗HIV薬。インテグラーゼ阻害薬『ラルテグラビルカリウム』の商品名。詳細は、『ラルテグラビルカリウム』を参照。
【概要】リンパ球が腫瘍化した病気。エイズに定義される悪性リンパ腫には、全身性非ホジキンリンパ腫(NHL)、原発性中枢神経リンパ腫(PCL)、そして原発性滲出細胞リンパ腫(PEL)があり臨床像が違う。また組織分類もあり、大きくホジキンリンパ腫と、非ホジキンリンパ腫に分けられる。エイズでよくみられるのは、非ホジキンリンパ腫で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が7割以上を占め、他にバーキットリンパ腫がある。最近では非エイズ関連悪性腫瘍(NADM/NADC)であるが、ホジキンリンパ腫も増加している。病変の広がりにより、1期から4期まで病期を分類する。1期以外は強力な抗がん化学療法を行い、造血幹細胞移植を行う例もある。
【診断】確定診断は生検組織の病理診断。腫瘍細胞の細かな性格を判定するためには、細胞表面マーカー、染色体検査、遺伝子検査などを加える。病気の広がりはCT、MRI、シンチグラフィ、骨髄検査などで判断する。
【治療】HIVの抑制とリンパ腫の治療を同時に行う。抗がん薬との相互作用を考慮してプロテアーゼ阻害薬よりもインテグラーゼ阻害薬を選ぶことが多い。非ホジキンリンパ腫に対する初回の抗がん化学療法のレジメンはR-CHOP、m-BACODなどがある。中枢神経浸潤の進行例や再発例では、造血幹細胞移植を併用することがある。リンパ腫細胞がCD20陽性である場合にはリツキシマブを併用する。中枢神経浸潤や局所の腫瘤形成例では放射線療法を併用する。出血や感染症が起こり、治療による死亡さえありうるので、血液腫瘍の専門医療機関で治療を行う。
【概要】四肢血圧脈波測定装置を用いる。両側の上腕と足首にマンシェットを巻き、胸壁に心電計の端子を装着し10秒あまり連続計測する。正常では下肢の血圧の方が上肢よりも高いので、比が1.0より低くなることはない。下肢の動脈に狭窄や閉塞があると比が低下するので、末梢動脈疾患(PAD)の診断に精度が高い。
【判定】・正常:1〜1.29、・境界域:0.91〜0.99、・軽度のPAD:0.71〜0.90、・中程度のPAD:0.41〜0.7、・重度のPAD:<0.4。
【商品名】ジスロマック®錠
【用法・用量】深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎は、1回500mgを1日1回、3日間。尿道炎、子宮頚管は、1回1000mgを1回。骨盤内炎症性疾患は、アジスロマイシン注射剤による治療を行った後、1回250mgを1日1回。エイズに伴うMAC症発症抑制は、1回1200mgを週1回。エイズに伴うMAC症治療は、1回600mgを1日1回。
【概要】マクロライド系抗菌薬。HIV感染症では、CD4細胞数の低い患者のMACの予防や治療に用いる。トキソプラズマ脳症、ミクロスポリジウム症に対しても有効である。感染病巣の炎症細胞内に取りこまれ、組織中の半減期が36時間と長いので、服用間隔が長くてよい。クラリスロマイシンなどに比べて薬物相互作用が少ないので使いやすい。
【商品名及び略号】レイアタッツ®カプセル ATV
【用法・用量】食事中又は食直後に経口投与。抗HIV薬による治療経験のない患者:アタザナビルとして300mgとリトナビルとして100mgをそれぞれ1日1回併用投与またはアタザナビルとして400mgを1日1回投与。抗HIV薬による治療経験のある患者:アタザナビルとして300mgとリトナビルとして100mgをそれぞれ1日1回併用投与。
【概要】抗HIV薬。プロテアーゼ阻害剤。
【副作用】発疹、嘔気、下痢、高ビリルビン血症、黄疸、腎・尿路結石など
【商品名】サムチレール®内用懸濁液
【用法・用量】治療は1回750mgを1日2回食後服用、21日間。発症予防は1回1500mgを1日1回食後服用。
【概要】軽症ないし中等症ニューモシスチス肺炎治療薬。副作用によりST合剤の使用困難な場合に選択する。剤型は内用懸濁液:15%(750mg/5mL/包)。作用部位はミトコンドリア呼吸鎖の抑制で、ニューモシスチス・イロベチのATPを低下させて効果を発揮する。
【副作用】発疹、悪心、嘔吐、下痢、発熱、不眠、肝機能障害など。
【その他】リファンピシンを併用すると、アトバコンの血中濃度が下がる。
【概要】直訳すると「遵守」。内服薬による治療では患者が指示された薬を適切に服用しないと、有効な薬の濃度が保てず治療失敗につながる。さらに抗HIV薬は適切に内服しないと薬剤耐性HIVになる可能性もある。患者自身が病気を受けいれ、治療方針の決定に参加し、積極的に治療を行おうとする能動的な態度のことを「アドヒアランスが良い」という。これに対して、患者が受動的に医療者のよく指示に従うことを「コンプライアンスが良い」という。アドヒアランスに影響する因子は、「社会的・経済的要因」「医療チームと医療システムに関する要因」「病気の状態に関する要因」「治療に関する要因」「患者に関する要因」がある。患者側の要因としてキーパーソンや“抑うつ状態の有無”は重要で医療者は見落とさないように心がける。服薬開始前にしっかりした準備をすること、経過中も患者・医療者の支援が必要である。
【略号】EFV/TDF/FTC
【概要】抗HIV薬。非核酸系逆転写酵素阻害薬『エムトリシタビン』、核酸系逆転写酵素阻害薬『テノホビルジソプロキシルフマル酸塩』と『エムトリシタビン』の配合剤。日本にはEFVの副作用のため導入されなかったが、途上国では現在も使用されている。
【商品名及び略号】ザイアジェン®錠 ABC
【用法・用量】1回600mgを1日1回もしくは1回30mgを1日2回。食事の影響なし。
【概要】抗HIV薬。核酸系逆転写酵素阻害薬『アバカビル硫酸塩』。
【副作用】発疹、過敏症など。
【その他】過敏症は、事前に組織適合抗原の検査を行い、 HLA-B*5701を持つ人には使用しないことで回避できる。ただし日本人での陽性率は0.1%とほとんどない。エイズ治療薬研究班取扱い医薬品としてシロップ剤あり(2022年1月時点)。
【用法・用量】1回1錠を1日1回。食事の影響なし。
【概要】抗HIV薬。核酸系逆転写酵素阻害薬『アバカビル硫酸塩』と『ラミブジン(抗HIV薬)』の配合剤。
【副作用】発疹、過敏症など。
【その他】過敏症は、事前に組織適合抗原の検査を行い、HLA-B*5701を持つ人には使用しないことで回避できる。ただし日本人での陽性率は0.1%とほとんどない。B型慢性肝炎の治療としても使用している際は、中止によるB型慢性肝炎の悪化に注意。
【略号】L-AMB
【概要】抗真菌薬。ポリエンマクロライド系『アムホテリシンBリポソーム製剤』の商品名。詳細は、『アムホテリシンBリポソーム製剤』を参照。
【商品名】ファンギゾン®シロップ
【用法・用量】1回0.5〜1mLを1日2〜4回食後。
【概要】抗真菌薬。ポリエンマクロライド系。真菌の膜ステロールを含む細胞膜構造に変化を与え、その透過性障害を起こさせて菌を死滅させる。経口薬は吸収しないので、口腔カンジダや食道カンジダに使う。
【副作用】食欲不振、悪心など。
【商品名及び略号】アムビゾーム®点滴静注用 L-AMB
【用法・用量】真菌感染症は、2.5mg/kgを1日1回(クリプトコッカス髄膜炎は、6mg/kgまで増量できる)。真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症は、2.5mg/kgを1日1回。
【概要】抗真菌薬。ポリエンマクロライド系。アムホテリシンBは古くからある薬。発熱、尿細管障害などの問題があった。人工的に作成した脂質二重層をもつ微小カプセルに本剤を封入することにより、より高い濃度で組織に移行し真菌に取り込まれていく。一方、血中からは早く消失することにより腎障害も軽減される。
【副作用】発熱と悪寒戦慄は高頻度で起こる。腎毒性、骨髄抑制、低カリウム血症など。
【概要】サイトメガロウイルス(CMV)感染症の診断法の一つ。EDTA採血の検体から塗抹標本を作り、CMVの早期抗原(pp65抗原)に対するモノクローナル抗体で染色し、鏡検下に好中球の細胞質が陽性に染まるものを観察する。好中球10万個あたり陽性細胞がいくつあるかで判定する半定量法。特異度、感度共に良好。検査項目はモノクローナル抗体の違いで、C7HRPとC10C11がある。病気の活動性や治療経過を判定するために使うが、最近はリアルタイムPCR法で血漿や脳脊髄液のCMV核酸定量法による測定が可能になった。