<中四国エイズセンター:部内学習資料:翻訳>

血友病Aと血友病B

著者: Paula HB Bolton-Meggs, K John Pasi,
出典: THE LANCET Vol 361, 1801-1809, 2003
翻訳: 広島大学病院 輸血部 藤井輝久

 血友病は血液凝固因子欠乏症の1つで、先天性疾患である。第VIII因子欠乏症(血友病A)と第IX因子欠乏症(血友病B)がよく知られているが、フォン・ヴイレブランド病の方がより頻度が多い。稀な欠乏症は全ての凝固因子にあり得る。血友病男児は、以前は青年までに死亡していた。診断の進歩や、特に安全で有効な治療法の進歩に伴い、現在では患者は普通の生活を望めるようになった。しかし疾患の合併症、特に治療が効かなくなる抗体の発生や、血液製剤輸注による感染症などの治療が必要となり、患者は大きな犠牲を強いられている。将来的には、遺伝子治療が現実となる可能性がある。しかし我々は、血友病は大切な経済的資源を必要とするために、大部分はその恩恵を預かることができない、世界中に存在する疾患の一つであることを忘れてはならない。
 血友病は、特異的な凝固因子濃度が低いことが原因の先天性出血性疾患である。最もよく知られているのが、第VIII因子欠乏症(血友病A)と第IX因子欠乏症(血友病B)であり、共にX染色体遺伝である。第XI因子欠乏症(元来、血友病Cと呼ばれていた)は一般に少なく、多くの症例は出血傾向が軽度で、常染色体遺伝で特にポーランド・ロシア系ユダヤ人に見られる。先天性出血性疾患で最も頻度が多いのはフォン・ヴイレブランド病であり、これはフォン・ヴイレブランド因子の質的・量的異常で、一般人口の1%存在すると思われる。この疾患は一般に軽症であるが、患者では月経過多の重要な原因の一つとなる。気をつけるべき重要なポイントは、診断は凝固スクリーニング検査が正常であるからといって、除外診断とならないことである。他の凝固因子の先天性欠乏症は非常に稀である。これらの疾患は常染色体劣性遺伝であるので、血族結婚がよく行われるコミュニティで頻発する。このセミナーでは、血友病Aと血友病B の診断と治療における最近の進歩について、焦点を当てる。
 血友病AとBは、それぞれお互いに臨床的に区別できないので診断は特異的な凝固因子アッセイにより、確定されなければならない。出血傾向は凝固因子濃度に関係し、軽症、中等症、重症(表1)に分類される。この分類により、一般的な出血のリスクを予測して最適な治療戦略を導き出して、かつその結果の予測ができる。重症血友病患者のほとんどが定期補充療法を必要とするが、ほとんど出血がなく、出血時のみ治療が必要な者も少数存在する。イギリスでは15%の重症血友病患者は、1年間に1回も治療したことがないことが観察された。また血栓性疾患の遺伝子異常も合併していると、臨床像が変わることがある。

 先天性凝固因子欠乏症は稀な疾患で(表2)、専門家の治療を必要とする。血友病Aは全ての人種に起こり、世界中で見られる。イギリスでは、国への登録制が開始された1968年から、約5000名の血友病A患者が登録された。血友病Bは、血友病Aの約5分の1である。世界では、血友病患者は50万人以上と概算される(男性100万人あたり、105から160名の発生差がある)。

病因
 第VIII因子は2351のアミノ酸からなる血漿糖タンパク複合体で、その合成は主に肝細胞であるが、腎、類洞内皮細胞やリンパ組織などでも微量の第VIII因子を合成され得る。この蛋白は、凝固活性に不要な機能不明の大きなBドメインを含んでいる。また最も大きく、安定性の悪い凝固因子の一つで、血漿ではフォン・ヴレブランド因子と非共有結合した複合体で循環している。第VIII因子の半減期は成人で約12時間(小児ではもっと短い)である。フォン・ヴィレブランド因子は、第VIII因子を早発する蛋白分解による破壊から守り、血管損傷部位における濃度を保つ役割を行う。
 第IX因子は415のアミノ酸からなるセリンプロテアーゼで、肝臓で合成される最大のビタミンK依存性蛋白である。ビタミンKは、分枝端にあるグルタミン酸残基のガンマカルボキシル化を行ってGlaドメインを形成することで、正常な機能と生物学的活性を有することに必要である。第IX因子の血漿濃度は第VIII因子の50倍であり、第IX因子の半減期は約24時間である。
止血と第VIII因子、第IX因子の役割
 血友病で起こる出血は、二次止血の不全による。血小板血栓の形成である一次止血は正常に起こるが、フィブリンによる安定化血栓はトロンビン形成量が適当でないために欠落する。
 古典的な"滝のような"凝固仮説では、二つの分かれた経路が示されているが、現在凝固第VIII因子や第IX因子は、適切なトロンビン合成のための血液凝固過程の中心と認識されている(図1)。外傷後、組織因子と第VII因子複合体が活性化され、第Xa因子が生成される。この生成は第IX因子と第VIII因子により増幅され、凝固完成へと進行する。第VIII因子と第IX因子が存在しないと、第Xa因子合成の増幅が安定した止血には不十分になるため、出血が続くことをこの図は示している。

血友病の遺伝子分子
 第VIII因子と第IX因子の遺伝子はそれぞれ1982年と1984年に単離された。このクローニングにより、血友病の原因となる遺伝子欠損の分子学的特徴に関して重要な進歩をもたらし、また治療で使用するリコンビナント凝固因子製剤の合成や、血友病疾患モデルとして利用されるノックアウト動物、蛋白の構造・機能解析のための変異タイプ、野生タイプの作成も可能にした。
血友病B:第IX因子遺伝子変異
 第IX因子遺伝子は8つのエクソンからなり33.5kbの長さがあり、X染色体長腕のXq27上に位置している。第IX因子遺伝子は、第VIII因子のそれに比べ、有意に小さく単純な構造をしている。
 第IX因子遺伝子には2100以上の遺伝子変異が存在することが、国際的データベースに記録されている(www.kcl.ac.uk/ip/petergreen/haemBdatabase.html)。変異は全ての遺伝子領域に認められ、そのほとんどが点変異で、その約3分の2はミスセンスである。20-30%の軽症血友病B症例は、小さな変異によって起こっている。約7%が短い付加または欠損で、約3%が大きな遺伝子欠損あるいは複雑な再構成である。第IX因子遺伝子のプロモーター領域における置換では、古典的には稀な第IX因子Leiden表現型となる。
血友病A:第VIII因子遺伝子変異
 第VIII因子遺伝子の長さは186kbで、26のエクソンからなり、X染色体長腕のXq28上に位置する。この遺伝子はイントロン22の中に二つの付加遺伝子F8A、F8Bを持つ珍しいものである。F8Aのコピーが2つ、第VIII因子遺伝子領域外に存在している(400kbのテロメア構造)。F8AとF8B遺伝子の役割は分かっていない。
 血友病Aにおける最も一般的な遺伝子異常は、重症患者の約45%に見られる、エクソン1-22(イントロンも含む)と遠位のエクソン23-26との大きな逆位と転座である。これにより、イントロン22のF8Aと遺伝子第VIII遺伝子領域外に存在する一つのF8Aコピーとの間に相同的遺伝子再構成が起こる(図2)。この変異は、男性となる胚細胞でしか起こらない。

 血友病Aの遺伝子変異のデータベースは既に作り上げられている(http://europium.csc.mrc.ac.uk/usr/WWW/WebPages/main.dir/main.htm)。イントロン22逆位以外の遺伝子変異では、点変異が多く(約85%がミスセンス、約15%がナンセンス)、また5%が大小の欠損や挿入などである。第VIII因子遺伝子のイントロン1を含む類似の逆位は、重症血友病A患者の5%に見られる。この遺伝子再構成はイントロン22逆位に類似しており、第VIII因子遺伝子領域内の一つと、第VIII因子遺伝子領域より離れた部位に存在するもう一つとの、二つの繰り返し配列間(イントロン1h-1と1h-2)の再構築の結果である。
インヒビターのリスクと遺伝子異常
 インヒビターのリスクは、存在する変異のタイプと関係がある。血友病Aでは、第VIII因子に重度な構造異常や合成抑制を起こす遺伝子変異を持つ患者(イントロン22逆位、大きな欠損、ナンセンス変異)は、ミスセンス変異や小さな欠損で(約5%)いくらか蛋白が合成される患者に比べて、高頻度に(約35%)インヒビターが発生する。血友病Bでは、遺伝子欠損や再構成がある患者は、約50%にインヒビターが発生するリスクがあるが、一方フレームシフトや早期の遺伝子翻訳停止、切断部位の変異でのリスクは約20%である。ミスセンス変異でのインヒビター発生リスクはほぼ0である。
診断
 血友病は、家族歴(血友病の3分の1で家族歴がない)が分かっている場合や出血が起こった後などに診断される。ほとんどの重症血友病患児は、経膣分娩で問題なく生まれる。新生児期に頭蓋内出血を起こすリスクは、概算で1-4%であり、これはほとんど第1週に発生すると思われる。研究者の中には、生後まもなくあるいは生まれる直前からの予防を提唱している者もあるが、このやり方はヨーロッパでは広く用いられていない。出血は特に吸引分娩後にリスクが生じる。家族歴があり患児である可能性がある場合には、産科医と小児科医、血液内科医間のコミュニケーションが不可欠である。
 ほとんどの患児では、彼らが這い這いや歩行をするまでは無症状である。重症血友病の特徴は、関節内や筋肉内への自然出血であり、適切な治療をしないと痛みがひどくまた組織の破壊が起こる。ほとんどの重症血友病患児は、4才までに最初の関節内出血を経験する。しかし、他の部位への出血はその年齢までに多く起こっている。よちよち歩きの幼児では打撲傷を容易に起こし、原因不明の出血を疑わせ、外傷と診断するのに困難で初期治療を混乱させることがある。中等症の血友病は、5才までにほとんどの症例が診断されるが、軽症血友病は外傷や手術後などずっと後になって診断されることがある。第VIII因子濃度活性は、血友病Aにおいて年齢によって有意な変化はない。
 血友病Aによる第VIII因子活性の不全は、フォン・ヴィレブランド因子を測定してフォン・ヴィレブランド病と鑑別しなければならない。家族歴(常染色体遺伝)や出血事象(月経過多、打撲傷が起きやすい、鼻出血)が異なる。ほとんどのフォン・ヴィレブランド病は軽症であり、関節内血腫や筋肉内出血を起こすもののほとんどは、フォン・ヴィレブランド因子が完全欠損して第VIII因子活性が非常に低くなる重症のタイプ3と呼ばれる(稀)ものである。フォン・ヴィレブランド病にはいくつかのサブタイプがあり、その中の一つに、第VIII因子とフォン・ヴィレブランド因子との結合不全のものがある(Normandy variant)。それは、フォン・ヴィレブランド因子は正常に存在するが、その結合が異常なのである。血族内に中等症または軽症の血友病Aがいるとか、特に女性で第VIII因子濃度活性が低い者がいる場合には、除外診断されなければならない。
 第IX因子の検査で血友病Bの診断は確定する。遺伝子のプロモーター領域の変異があって思春期にホルモン変化が起こって濃度が上昇する(第IX因子Leiden)場合を除き、第IX因子濃度活性は年齢によって有意に変化しない。これ(第IX因子Leiden)は重症血友病Bが軽症に、軽症血友病Bでは正常な第IX因子濃度になることがある。予後が改善するので、こういった疾患の血族の同定は大切である。
 血友病AとBは、X染色体依存性の疾患である。そのため保因者の平均凝固因子濃度は正常のほぼ半量であり、第VIII因子や第IX因子濃度活性が低いために、多くの女性保因者では軽症血友病と同様に過剰出血しやすい可能性がある。それで、確定あるいは可能保因者の女性や少女には、凝固因子濃度を測定したほうがよい。第VIII因子濃度活性は2回以上行った方がよいが、その理由は、ストレス下において濃度が上昇するからである。
 何回測定しても正常な濃度の場合は過剰出血しやすい状態の保因者ではなく、その場合は遺伝子変異を検出することのみでしか確定できない。遺伝子検査は、その少女が自分で同意できる年令(12才から16才)になるまでは勧められない。家族の女性たちは凝固因子濃度が正常で、保因者であることを想定していないなので、彼女たちには注意深い説明が必要となる。遺伝形式は、図3に示す。稀に女性の重症血友病が発生する。この遺伝メカニズムは、Turner症候群(XO)のようにどちらかの性染色体が欠損している場合(extreme lyonisation)か、両親が共に変異を有している場合(父親が血友病で、母親がキャリア)である。血友病を診断した家系に対して医師が、詳細な家族歴の聴取(何代か含めて、あるいはその親類までも正確に)を行って正しい家系図を構築することは、他の家族メンバーに対して、異常を有しているリスクや彼らの子孫に伝えられる可能性、最近の文献などにある興味深い事項についてなどの遺伝カウンセリングを行う際に大変重要となる。

治療
 現在、血友病AとBに対する根治的治療法はない。治療の中心は、欠乏している凝固因子の濃度を上昇させて自然出血や外傷性出血を止血したり、手術できるレベルまで補正することである。軽症血友病Aや軽症フォン・ヴィレブランド病の場合には、デスモプレシンという抗利尿ホルモン・アナログの使用により第VIII因子濃度活性を上昇させて、効果を得ることができる。ほとんどの重症血友病患者は、家庭であるいは時に入院して、欠乏凝固因子を経静脈的に輸注する治療を受けている。血友病AとBの主症状は、関節内や筋肉内へ繰り返す出血(週1回程度)である。関節内出血は大変痛みが強く、出血は滑膜層を刺激する。早期に適切な治療を行うと止血でき、ダメージも抑えられる。出血が持続したり繰り返したりすると、結果的に滑膜の過形成が起こって出血を繰り返し(target joint)、軟骨や軟骨下の骨の破壊が進行する。適切な治療が長期間行われないと、患者は関節拘縮を伴った進行性の重症関節症や特に大関節(膝、足首、肘)の変形により、関節機能を失ってしまう。関連する筋肉萎縮も深刻になることがあり、最悪の場合青年期の患者で移動困難となり車椅子生活となる可能性もある。なぜ重症血友病患者の主な出血部位が関節内や筋肉内であるのかは、よく分かっていない。
 筋肉内出血は、血管や神経を圧迫して四肢温存が困難になったり、あるいは生命まで脅かすことがある。舌を噛んだとか指を切ったとかといった些細な怪我が原因で死亡するといった重症出血性疾患特有の可能性は、現在は効果的な治療法があるので、時に忘れ去られることがある。重症血友病患者のどんな出血事象も真剣に対処して早期の治療を行わなければならない。
 血友病の有効な治療法はつい最近行われるようになったが、これは重症血友病患者の予後に十分な衝撃を与えた。Jonesは、彼の血友病治療の初期の歴史の中で、5才までに27回入院し、17名の医師に診てもらったと記している。雇用機会は厳しい状態で人生も短いと思われた。現在5才の重症血友病で予防投与を受けている場合、患児は一度も出血を経験したことがないかもしれないし、今後通常の学校に全出席して、ほとんど制限なく通常の人生を送ることができるであろう。血漿由来の第VIII因子や第IX因子製剤は、1970年代に広く使用できるようになり、出血事象に対して大変有効な治療ができて、自己注射や家庭療法プログラムの発展に繋がった。有効な治療法は、機能が制限されている関節の整形外科的手術をも可能にした。さらに研究が進歩して、ほとんど不純物のない高純度製剤も開発された。1986年にウイルス不活化処理が導入され、以来HIVやC型肝炎ウイルスの伝播がなくなった。遺伝子工学で作られた(リコンビナント)第VIII因子製剤は1992年に、リコンビナント第IX因子製剤(これは全く動物やヒトの蛋白が含まれていないユニークなもの)は、1999年から使用できるようになった。第三世代のリコンビナント第VIII因子製剤も、動物やヒトの蛋白が全く含まれていないものになる。もし使用可能で経済的な余裕があるのなら、リコンビナント製剤は、ヒトや動物の感染性病原体の伝播のリスクがないので、治療選択の一つとなる。
出血時の輸注か予防輸注か?
 出血が起きた時に治療するか(on demand)、出血を起こさないように定期的に輸注する(prophylaxis)。
予防輸注
 予防輸注の意義は、関節内自然出血をなくすことにある。中等症血友病患者(ベースラインの凝固因子濃度が正常の1%以上)は一般に関節内自然出血を起こさず、長期間関節破壊が起こることも稀である。予防輸注の先駆けはスウェーデンで、現在重症血友病患児の治療戦略として勧められている。他のグループでも、定期的(血友病Aの場合週3回、または1日おき、血友病Bの場合は週2回)に適切な輸注を行った場合のメリットを確認している。この方法は関節内出血を予防するので、長期間での予後が改善される。予防輸注という方法は小児や彼らの家族に対して提供されるが、多くの疑問点も残されている。予防輸注開始年令はいつ頃か? いつやめるのか? 予防輸注は短期間で見るとコストがかかる(製剤費が高価)。しかし長い目で見ると、大人になっても正常な関節で障害なく通常の教育を受けることができ、通常の活動と雇用機会が望めるという、高齢の成人が抱いていたものと違う人生のシナリオになるので、たぶん生涯コストは節減されるであろう。
 ライフスタイルや生活の質の点に関する情報はまだ限られたものしかない。これらのいくつかの疑問点は臨床研究となっている。ほとんどの患児が最初に関節内出血を経験すると思われる4才までに、予防輸注を始めるのがよい。段階的開始(stepwise start:12-18ヶ月から週1回末梢静脈に輸注)は、受け入れられやすくまた理想的な方法でもある。多くの事項が患児やその家族の認容度にかかっている。中心静脈ラインを用いることもできるが、合併症特に感染症(25-30%)の原因となり得るし、血友病でも中心静脈血栓ができることがある。

輸注で伝播する感染症
 補充療法のメリットは相当なコストによってもたらされている。2種類の肝炎(BとC)は、20,000人分の巨大な血漿プールから作られる血漿由来濃縮製剤の合併症として1970年代終りより知られている。B型肝炎は一般的であって、ほとんどの症例で免疫によりウイルスのクリアランスが起こる。非A、非B肝炎(C型肝炎)は当初あまり重要視されていなかったが、重大な合併症を後に起こす。少数の患者では(10%、特に小児)ウイルスが排除されることがあるが、成人のほとんどでは、慢性感染症となってゆっくりと進行し、肝硬変や時に癌を発症する。末期肝疾患のリスクは、HIV感染合併例やB型肝炎ウイルス血症の合併、年長者で高い。患者の中には、現在インターフェロンとリバビリン併用療法でC型肝炎ウイルスが排除される場合がある。血友病患者の中では、肝移植により肝硬変と血友病両方治癒した例がある。
 被膜を持つウイルス(enveloped virus:B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV)は、現在の血漿由来濃縮製剤で感染することはないが、被膜のないウイルス(non-enveloped virus:A型肝炎ウイルスやパルボウイルス)は、完全には死滅されていない。凝固因子異常の全ての患者は、A型肝炎とB型肝炎に対するワクチンを受ける方がよい。パルボウイルスに対するワクチンはないので、血漿由来濃縮製剤で感染する可能性が残っていることを頭に入れておく。このウイルスは、臨床的重要性はあまりないと考えられていたが、軽症血友病Aの免疫状態のよい患者において1例重大な疾患を起こしている。そして、伝播は授乳期の女性キャリアから起きたことも証明された。パルボウイルスの感染は胎児に重大な問題を起こし、重症貧血や胎児死亡などの原因となる。血漿由来濃縮製剤はどこでも、この2つのウイルスの不活化処理を取り組む問題としてきている。
 血友病のHIV感染症は、1981年に最初に報告された。そしてイギリスでは、1979年からウイルス不活化処理が導入された1985年までの間に、血液製剤の輸注によって1200名以上が感染した。そのうちの半数以上が既に死亡している。1986年以降ウイルス不活化処理をした製剤から新たなHIV感染例は出ていない。HIV感染症の治療は非常に複雑である。多剤併用療法の有効性が高いが、いくつかのプロテアーゼインヒビターでは、原因は不明だが使用により出血のリスクが高くなる。統計学的生存率で見ると、血友病の最も多い死因は、有効な治療法が利用できる以前は頭蓋内出血であったが、1980年代90年代には治療関連死、主にHIV感染症と肝疾患に変わった。もっと最近では、変異型Creutzfelt-Jacob病が血漿由来濃縮製剤で感染する可能性があることが関心事となっているが、現在までにそのような感染の証拠はないし、製造工程の蛋白純化段階でプリオンは効果的に除去されることが研究で分かった。
インヒビターの発生
 輸注された凝固因子に対する抗体(インヒビター)の発生は重大な合併症であり、主に重症血友病で起こり、血友病B(1.5-3.0%)に比べ血友病A(30-50%)の方がより頻度が高い。第VIII因子インヒビターは低力価(一般に一過性)であれば、第VIII因子濃縮製剤を増量したり、治療継続で問題が解消される。一方、高力価、高反応性の場合には凝固因子濃縮製剤の治療を妨げる。白人よりも黒人の方が発生頻度は高い。製剤の種類に関係なく、初回から20-100回目の間の輸注期間内で、インヒビター発生リスクが最も高く、そのためほとんどのケースで小児期に発生する。遺伝子型(インヒビターは欠損のある患者でより発生しやすい)にもある程度関係がある。そこで、若年の血友病患者においては、定期的にインヒビターの発生をモニターする。イギリスの血友病Aでの有病率は6%である。現在の調査の数値は、以前よりも実際に近いものである。なぜなら、以前はたぶん見逃されていた一過性の低レベルのインヒビターを検出しているからである。
 高反応性インヒビター保有の患者(ほとんどが幼児例)の治療は難しい。急性出血事象は血漿由来の活性化プロトロンビン複合体製剤-第VIII因子活性をバイパスできる多種の活性化凝固因子の混合物-に反応するかも知れない。しかし、リコンビナント第VII因子製剤はプール血漿から作られていない上に、急性の関節内出血に効果を示す。高価であるがこれらを早期に使用すれば、痛みから解放されるだけでなく、長期間の関節障害のリスクを防ぎ、ひいては生活スタイルや教育、雇用機会などに恵まれて、コスト効果もある。リコンビナント活性化第VII因子を使用すれば、大きな整形外科手術や他の手術も可能である。
 高反応性インヒビターは、免疫寛容療法によって消失可能である。それは、長期間凝固因子製剤の定期輸注を行い、時に免疫抑制療法や免疫吸着を併用するものである。開始時のインヒビターが低い、ピーク時のインヒビターが低い、インヒビター診断時から免疫寛容療法開始までが2年以内、治療中断しないこと、高用量のレジメンなどが治療成功に関係する。この治療法は高価で患児やその家族に負担がかかる。また多くの例で中心静脈点滴ラインが必要となる。幼少時にほとんどのインヒビターが発生するため、関節障害が起こり長期でのインヒビター患者の予後は重篤になり得るので、長い目で見ると免疫寛容療法はコスト効果がある。またこれらのレジメンで、血友病Aでは約85%の症例に有効である。最適なレジメンを決定するために、国際的なランダム化対照試験が現在進行中である。
 第IX因子のインヒビターは一般に稀で、免疫寛容に対する反応もよくない(良くて50%程度)。第IX因子抗体は他のアレルギー反応の症状、特にアナフィラキシーと関連があり、また免疫療法を受けた患者の中には、ネフローゼ症候群を発症した者もいる。第IX因子欠乏症において大きな遺伝子欠損(1-3%)は、インヒビター発生が高いことと関係しており、これらの患者では特にアナフィラキシーのリスクもある。第IX因子インヒビターの患児の急性出血時の最適な治療は、リコンビナント活性化第VII因子製剤である。
血友病の遺伝子治療
 血友病は遺伝子治療を考える理想的な疾患である。なぜなら、正常の1-2%以上凝固因子濃度を上げるだけで、濃縮製剤の定期輸注を行う予防輸注が不要となり、重症血友病患者にとって生活スタイルの明らかな向上がもたらされるからである。
 血友病AとBの究極の遺伝子治療は、変異した遺伝子を分子遺伝子的に直接治すことであろう。そのような直接的な遺伝子修正は行われているが、血友病AやBにとってその方法は、ずっと先のことであろう。今日の血友病に対する遺伝子治療は、正常な第VIII因子や第IX因子遺伝子を付加することである。現在の技術により、動物モデルでは遺伝子治療により血友病が本当に治癒する見込みが出ている。しかし、これは現在ヒトではまだ信頼できるものではない。
 血友病患者25名以上が現在、第1相の遺伝子治療プロトコールで治療を受けている。重要な安全性の問題は注目されていないが、結論的には第VIII因子や第IX因子が治療濃度に確実に達したとする研究はない。
 最初に報告された試験では、重症血友病Bの成人患者に第IX因子を含むリコンビナント・アデノ関連ウイルスを筋肉内に注射した。8例中2例にわずかな濃度の第IX因子の上昇(<0.02 IU/mL)が観察されたが、一方の報告では6例中3例で第IX因子製剤必要量の減少があった。同じウイルスベクターを用いて肝動脈内へ輸注する同様の研究が進行中である。
 血友病Aには3種類のシステムが試されている。一つ目は、第VIII因子遺伝子を生体外で付加して、自家線維芽細胞や腹腔鏡下に再移植するものである。マウスを用いた前臨床段階では手技の安全性と、1回の手技で1年以上第VIII因子が持続的に発現(0.05 IU/ml)することが認められた。6名の成人患者に試したところ、4名は複数回繰り返すことで第VIII因子濃度の改善(0.5-3.5%)の改善を認め、2名では出血頻度と第VIII因子濃縮製剤の使用の減少を認めた。しかし、効果は10ヶ月以上続かなかった。
 二つ目のプロトコールは、第VIII因子を含むネズミ白血病ウイルスを使用して、経静脈的に注射するものである。これは、ウサギや血友病のイヌでの前臨床的データでは効果が認められている。13名の患者に行ったが、第VIII因子濃度が0.01 IU/mL以上を維持したのは1例もなかった。
 3つ目、これは第VIII因子遺伝子を含んだ"中身のない"アデノウイルスを用いたものであるが、現在までに1名の患者に施行されている。この患者は、初期のモデルで毒性になると予測されていた量よりも少量で、一過性の肝毒性と血小板減少を経験した。第VIII因子濃度は、0.01 IU/mL程度を維持することが数ヶ月間観察された。研究データの蓄積が続いている。
 全てのヒトへの試験は、先に動物実験が行われており、一般にヒトでの試験の時よりも第VIII因子や第IX因子の上昇が大きい。そのため、動物での研究は単なるヒトでの効果のおおまかな目安に過ぎない。
 血友病は遺伝子治療の主要なターゲットである。しかし、血友病は現在の安全で効果的な治療を用いれば、もはや致死的な疾患ではない。有効性と理論上のリスクとのバランスを、遺伝子レベルの研究を治療に用いることを考える場合に頭に入れておかなければならない。レトロウイルスベクターで治療した小児に血液学的悪性腫瘍が発生してから、変異遺伝子が挿入される可能性やランダムに遺伝子を挿入するいくつかのウイルスベクターの安全性について、最近見直しがされてきている。特に遺伝子治療による異所性の第VIII因子や第IX因子の産生はインヒビター発生のリスクになるのか、あるいはこの方法がインヒビター保有患者の寛容療法となることがあるのか、といった問題も残っている。遺伝子導入がHIVやC型肝炎ウイルス(肝への直接投与の場合)の自然歴に及ぼす影響も分かっていない。治療を受けた患者の精液にウイルスベクターが一過性に出現することに対する関心も高まっている。
血友病ケアの組織と世界情勢
 出血性疾患は稀で、専門家の治療を必要とする。イギリスでは、1968年にセンターのネットワーク化が始まり、22の包括医療センターが決められて以来進歩を続けている。これらのセンターでは24時間体制で診察・検査を行うことができ、かつ整形外科、歯科、HIV医療サービスの専門家もいる。他の80の血友病センターともネットワークがある。出血性疾患患者の国への登録制度を確立し維持することでユニークな記録となり、いくつかの出版物にもなった。イギリス血友病センター医師協会(The UK Haemophilia Centre Doctors Alliance)はイギリスの患者のために標準化された最適の治療を提供したり、引き続きガイドラインを改訂するために、患者や他の組織(the Haemophilia Society and Haemophilia Alliance)と一緒に活動している。出血性疾患の全ての人がこういったセンターに繋がっていくのがよい。同様のモデルがより発展した国では存在している。
 血友病の診断は専門化されており、治療に掛かるコストは高い。世界血友病基金(www.wfh.org)による世界規模の調査によると、血友病患者は89の国々に10万人以上いる。これらの患者のほとんどは、適切な治療を受けるすべがない。世界中では血友病患者は50万人と概算され、そのうち診断されているのが3分の1未満である。重症血友病者の状態は、強い経済力を持つ国と大きな経済問題を抱えている国とでは明らかに違う。補充療法は、簡単に供給されないかも知れないが、国際的な血友病プログラムの確立や地域の輸血サービスなどにより、生活の質や人生の希望といった点に関して効果をもたらすことができる。世界血友病協会のデータによると、成人の生存が治療センターの発展だけでなく、補充療法の利用により大幅に増えた。少なくとも一人あたり1単位の補充療法を行うことが、最適な生存をもたらすことになる(合衆国やヨーロッパのように:表3)。


 経済力の弱い国々(イラン、ロシア、エジプトなど)では、多数の患者が診断されているにもかかわらず、凝固因子の補充率は低い(表3)。経済的な問題を抱えている国々(インドや中国、バングラディッシュなど)では未だに、血友病患者のほとんどが診断されておらず、有効な治療法を受ける可能性も低い。これらの国々の患者の多くは、たぶん診断される前に死亡しているのであろう。いくつかの理由がある。これらの国々では血友病は国の重要事ではない、医療インフラが不適切、などである。こういった要因は一般に、輸血サービスがあまり発達していないことが関係している。
 世界血友病協会はトレーニングセンターのネットワークを構築し、専門家の意見を共有する有効な方法として、より発展した国のセンターと発展していない国の施設をパートナーとして密接に結びつけようとしている。これにより、二つの血友病治療センターの正式な協力関係が得られ、血友病の診断と治療の進歩に欠かせない血友病センターを早急に整備することができる。プログラムは1994年に始まり、現在30以上の施設と連携が得られている。よい検査診断の確立は重要事項で、国際トレーニングフェローシップや未発展国での実務者ワークショップ、国際的な検査レベル向上計画などでも目標とされている。
 血友病の親たちの組織との密接な連携も、患者の主張や組織の運営、資金調達などの点で知識を分かち合うために非常に価値がある。世界血友病協会は、国レベルの血友病プラグラムの実行を援助することによって血友病のケアが不十分な国での改善を重視するGlobal Alliance for Progressの設立を任せられている。目標は、30-40ヵ国に国レベルのプログラムを導入して発展させて、診断者数を12-17万人にすること、そしてそれで新しく診断された患者が基本的なケアを受けられること、現在診断はされているが治療されていない患者が基本的なケアを受けられることである。
参考文献

1 Rodeghiero F, Castaman G, Congenital von Willebrand disease type I: definition, pbcnotypes, clinical and laboratory assessment. Bcst Pract Res Clin Haematol 2001; 14: 32 1-35.
2 Lee CA Women and inherited bleeding disorders: menstrual issues. Semin Hernatol 1999; 36 (suppl 4): 21-27.
3 Peyandi F, Duga S. Akhavan S, Mannucci PM. Rare coagulation deficiencles. Haernophilia 2002; 8: 308-21
4 White GC II, Rosendaal F. Aledort LM, Lusher JM, Rothschild C, Ingerslev J. Definitions in hemophilia: recommendation of the scientiflc subcommittee on factor VIII and factor IX of the scientific and standardization committee of the International Society on Thrombosis and Haemostasis. Thromb Haernost 2001; 85: 560
5 UK Haemophilia Centre Doctors' organisation. Report on the annual returns for 1 999, UKHCDO, 2002.
6 Tizzano EF. Cornet M, Domenech M. Baiget M. Modifier genes in haemophilia: their expansion in the human genome. Haemophilia 2002; 8: 250-54.
7 O'Mahoney B. Global haemophilia care challenge and opportunities: World Federation of Hemophilia, 2002: published on the website www.wth.org (accessed April lO, 2003).
8 Hollestelle MJ, Thinnes T, Crain K, et al. Tissue distribution of factor VIII gene expression in vivo: a closer look. Thromb Haemost 2001; 86: 855-61.
9 Kurachi K, Davie EW. Isolation and characterization of a cDNA coding for human factor IX. Proc NatlAcad Sci USA 1982; 79: 646 1 -64.
10 Gitschier J, Wood WI, Goralka TM, et al. Characterization of the human factor VIII gene. Nature 1984; 312: 326-30.
11 Seligsohn U, Peretz H. Molecular genetics aspects of factor XI deficiency and Glanzmann thrombasthenia. Haemostasis 1994; 24: 8 1 -85 .
12 Lakich D, Kazazian HH Jr, Antonarakis SE. Gitschier J. Inversions disrupting the factor VIII gene are a common cause of severe haemophilia A. Nat Genet 1993: 5: 236-41.
13 Naylor J, Brinke A, Hassock S, Green PM. Giannelli F. Characteristic mRNA abnormality found in half the patients with severe haemophilia A is due to large DNA inversions. Hum Mol Genet 1993; 2: 1773-78.
14 Rossiter JP, Young M. Kimberland ML, et al. Factor VIII gene inversions causing severe hemophilia A originate almost exclusively in male germ cells. Hum Mol Genet 1994; 3: 1035-39.
15 Bagnall RD, Waseem N, Green PM. Giannelli F. Recurrent inversion breaking intron I ofthe factor VIII gene is a frequent cause of severe hemophilia A. Blood 2002; 99: 168-74.
16 Lillicrap D. The molecular basis ofhaemophilia B. Haemophilia 1998; 4: 350-57.
17 Kulkarni R. Lusher J. Perinatal management ofnewborns with haemophilia. Br J Haematol 2001; 1 12: 264-74.
18 Buchanan GR. Factor concentrate prophylaxis for neonates with hemophilia. j Pediatr Hematol Oncol 1 999; 21: 254-56.
19 Ljung R, Lindgren AC, Petrini P, Tcngborn L. Normal vaginal delivery is to be recommended for haemophilia carrier gravidae, Acta Paediatr 1994; 83: 609-11.
20 Pollmann H, Richter H, Ringkamp H, Jurgens H. When are children diagnosed as having severe haemophilia and when do they start to bleed? A 10-year single-centre PUP study. Eur j Pediatr 1999; 158 (suppl 3): S166-70.
21 Rodeghiero F. von Willebrand disease: still an intriguing disorder in the era of molecular medicine. Haemophilia 2002; 8: 292-300.
22 Tuley EA, Gaucher C, Jorieux S. Worrall NK. Sadler JE, Mazurier C. Expression of von Willebrand factor "Normandy": an autosomal mutation that mimics hemophilia A. Proc Natl Acad Sci USA 1991; 88: 6377-81.
23 Mazurier C, Goudemand J, Hilbert L, Caron C, Fressinaud E. Meyer D. Type 2N von Willebrand disease: clinical manifestations, pathophysiology, Iaboratory diagnosis and molecular biology. Best Pract Res Clin Haematol 2001; 14: 337-47.
24 Briet E, Bertina RM, van Tilburg NH, Veltkamp JJ. Hemophilia B Leyden: a sex-linked hereditary disorder that improves after puberty. N Engl jMed 1982; 306: 788-90.
25 Reijnen MJ, Maasdam D, Bertina RM, Reitsma PH Haemophilia B Leyden: the effect of mutations at position + 13 on the liver-specific transcription of the factor IX gene Blood Coagul Fibrinolysis 1994; 5: 341-48.
26 Rodriguez-Merchan EC. Common orthopaedic problems in haemophilia. Haemophilia 1999; 5 (suppl 1): 53-60.
27 Vine B The blood doctor London: Viking, 2002.
28 Mannucci PM. Desmopressin (DDAVP) in the treatment of bleeding disorders: the first twenty years Haemophi!ia 2000; 6 (suppl l): 60-67
29 Birch CL. Hemophilia, clinical and genetic aspects. Urbana: University of lllinois, 1937.
30 Jones P. The early history ofhaemophilia treatment: a personal perspective Brj Haematol 2000; I11: 719-25.
31 Nilsson IM, Berntorp E, Lofqvist T, Pettersson H. Twenty-five years' experience of prophylactic treatmcnt in severe haemophilia A and B jlntern Med 1992; 232: 25-32.
32 Yee TT, Beeton K, Griffioen A, et al. Experience ofprophylaxis treatment in children with severe haemophilia. Haemophilia 2002; 8: 76-82.
33 Van Den Berg HM, Fischer K, Van Der Bom JG, Roosendaal G, Mauser-Bunschoten EP Effects ofprophylactic treatment regimens in children with severe haemophilia: a comparison of different strategies, Haemophilia 2002; 8 (suppl 2): 43-46.
34 Van den Berg HM, Fischer K, Mauser-Bunschoten EP, et al. Long-term outcome of individualized prophylactic treatment of children with severe haemophilia. Br j Haematol 200 1; 1 12: 561-65.
35 Miners AH. Sabin CA, Tolley KH) Lee CA. Assessing the effectiveness and cost-effectiveness of prophylaxis against bleeding in patients with severe haemophilia and severe von Willebrand's disease. J Intern Med 1 998; 244: 5 1 5-22.
36 Ljung R, Aronis-Vournas S, Kurnik-Auberger K, et al. Treatment of children with haemophilia in Europe: a survey of 20 centres in 16 countries. Haemophilia 2000; 6: 619-24.
37 Liesner RJ. Khair K. Hann IM. The impact ofprophylactic treatment on children with severe haemophilia. Br j Haematol 1 996; 92: 973-78.
38 Aledort LM, Haschmeyer RH, Pettersson H. A Iongitudinal study of orthopaedic outcomes for severe factor-VIII-deficient haemophiliacs. jlntern Med 1994; 236: 391-99.
39 Royal S, Schramm W, Berntorp E, et al. Quality-of-life differences between prophylactic and on-demand factor replacement therapy in European haemophilia patients. Haemophilia 2002; 8: 44-50
40 Naraine VS, Risebrough NA, Oh P, et al. Health-related quality-of-life treatments for severe haemophilia: utility measurements using the Standard Gamble technique. Haemophilia 2002; 8: 1 12-20.
41 Petrini P. What factors should influence the dosage and interval of prophylactic treatment in patients with severe haemophilia A and B? Haemophilia 2001; 7: 99-l02.
42 Babu R, Spicer RD Implanted vascular access devices (ports) in children: complications and their prevention. Pediatr Surg Int 2002j 18: 50-53.
43 Bollard CM, Teague LR. Berry EW, Ockelford PA. The use of central venous catheters (portacaths) in children with haemophilia. Haemophilia 2000; 6: 66-70.
44 Santagostino E, Gringeri A, Muca-Perja M, Mannucci PM. A prospective clinical trial of implantable central venous access in children with haemophilia. L~r j Haematol 1 998; 102: l 2 24-2 8 .
45 Collins PW, Khair KS, Liesner R, Hann IM. Complications experienced with central venous catheters in children with congenital bleeding disorders. Br j H(~ematol 1 997; 99: 206-08
46 Blanchette VS, al-Musa A, Stain AM, Filler RM, Ingram J. Central venous access catheters in children with haemophilia. Blood Coagul Fibrinolysis 1996; 7 (suppl 1): S39-44.
47 Journeycake JM, Quinn CT, Milier KL, Zajac JL. Buchanan GR. Catheter-related deep venous thrombosis in children with hemophilia. Blood 2001; 98: 1 727-31 .
48 Mannucci PM, Capitanio A, Del Ninno E, Colombo M, Pareti F, Ruggeri ZM. Asymptomatic liver disease in haemophiliacs. j Clin Pathol 1975; 28: 620-24.
49 Craske J, Dilling N, Stern D. An outbreak ofhepatitis associated with intravenous injection of factor-VIII concentrate. Lancet 1975; 2: 221-23.
50 Craske J, Kirk P, Cohen B, Vandervelde EM. Commercial factor VIII associated hepatitis, 1974-75, in the United Kingdom: a retrospective survey, j Hyg (LondJ 1978; SO: 327-36.
51 Mannucci PM, Ronchi G, Rota L. Colombo M. A clinicopathological study ofliver disease in haemophiliacs j Clin Pathol 1978; 31: 779-S3
52 Hay CR. Preston FE, Triger DR, Underwood JC. Progressive liver disease in haemophilia: an understated problem? Lancet 1985; 1: l 4 9 5-9 8
53 Makris M, Preston FE, Rosendaal FR, Underwood JC, Rice KM, Triger DR. The natural history of chronic hepatitis C in haemophiliacs. BrJ Haematol 1996; 94: 746-52.
54 Lee C, Dusheiko G. The natural history and antiviral treatment of hepatitis C in haemophilia. Haemophilia 2002; 8: 322-29
55 Goedert JJ, Eyster ME, Lederman Milvi, et al. End-stage liver disease in persons with hemophilia and transfusion-associated infections. 1~100d 2002; 100: 1584-89
56 Lethagen S. Widell A> Berntorp E, Verbaan H; Lindgren S. Clinical spectrum of hepatitis C-related liver disease and response to treatment with interferon and ribavirin in haemophilia or von Willebrand disease Brj Haematol 2001; 113: 87-93.
57 Gordon FH, Mistry PK. Sabin CA, Lee CA. Outcome oforthotopic liver transplantation in patients with haemophilia, Gut 1998j 42: 744-49.
58 Evatt BL, Farrugia A, Shapiro AD, Wilde JT. Haemophilia 2002: emerging risks of treatment. Haemophilia 2002; 8: 22 1-29.
59 Prowse C, Ludlam CA, Yap PL. Human parvovirus B19 and blood products Vox Sang 1997; 72: 1-10.
60 Yee TT, Cohen BJ, Pasi KJ. Lee CA. Transmission of symptomatic parvovirus Bl9 infection by clotting factor concentrate. Brj Haematol 1996; 93: 457-59.
61 Racoosin JA, Kessler CM. Bleeding episodes in HIV-positive patients taking HIV protease inhibitors: a case series. Haernophilia 1999; 5: 266-69.
62 Wilde JT. Protease inhibitor therapy and bleeding. Haemophili(s 2000; 6: 487-90.
63 Wilde JT, Lee CA, Collins P, Giangrande PL, Winter M, Shiach CR. Increased bleeding associated with protease inhibitor therapy in HIV-positive patients with bleeding disorders Br J Haematol 199q: 107: 556-59.
64 Rizza CR. Spooner RJ. Giangrande PL Treatment of haemophilia in the United Kingdom 1981-1996 Haemophilia 2001: 7: 349-59.
65 Brettler DB. Inhibitors in congenital haemophilia Baillieres Clin Haematol 1 996; 9: 3 1 9-29
66 Astermark J, Berntorp E, White GC, Kroner BL The Mlalmo International Brother Study (MIBS): further support for genetic predisposition to inhibitor development in hemophilia patients Haemophilia 2001; 7: 267-72.
67 DiMichele D, Inhibitors: resolving diagnostic and therapeuric dilemmas Haemophilia 2002; 8: 280-87.
68 Key NS, Aledort LM, Beardsley D, et al Home treatment of mild to moderate bleeding episodes using recombinant factor VIla (Novoseven) in haemophiliacs with inhibitors. Thromb Haemost 1998; 80: 912-18
69 Brackmann HH, Effenberger E, Hess L, Schwaab R, Oldenburg J NovoSeven in immune tolerance therapy. Blood Coagul Fibrinolysis 2000; 11 (suppl 1): S39-44.
70 Lusher JM Early treatment with recombinant factor VIIa results in greater effrcacy with less product. Eur J Haematol Supp/ 1998; 63: 7-10.
71 Shapiro AD. Gilchrist GS. Hoots WK, Cooper HA, Gastineau DA. Prospective, randomised trial of t\vo doses of rFVIIa (NovoSeven) in haemophilia patients with inhibitors undergoing surgery. Thromb Haemost 1998; 80: 773-78
72 Cooper HA. Jones CP, Campion E, Roberts HR, Hedner U Rationale for the use of high dose rFVIla in a high-titre inhibilor patient with haemophilia B during major orthopaedic procedures Haemophilia 2001; 7: 5 17-22.
73 Freiburghaus C, Berntorp E, Ekman M. Gunnarsson Ni, Kjellberg B, Nilsson IM. Tolerance induction using the Malmo treatment model 1982-1995. Haemophilia 1999; 5: 32-39.
74 Damiano ML, Hutter JJ Jr. Immune tolerance for haemophilia patients with inhibitors: analysis of the western United States experience. Haemophilia 2000; 6: 526-32.
75 Lusher JM Inhibitors in young boys with haemophilia. Baillieres Best 1)ract Res Clin Haematol 2000; 13: 457-68
76 Barnes C, Rudzki Z, Ekert H, Induction of immune tolerance and suppression of anaphylaxis in a child with haemophilia B by simple plasmapheresis and antigen exposure. Haenlophilia 2000; 6: 693-95.
77 Warrier I. Management of haemophilia B patients with inhibitors and anaphylaxis. Haemophilia 1998; 4: 574-76.
78 Tengborn L, Hansson S. Fasth A, Lubeck PO, Berg A, Ljung R. Anaphylactoid reactions and nephrotic syndrome-a considerable risk during factor IX treatment in patients with haemophilia B and inhibitors: a report on the outcome in two brothers. Haewophilia 1998; 4: 854-59
79 Warrier I. Factor IX inhibitors and anaphylaxis In: Rodriguez-Merchan EC, Lee CA, eds. Inhibitors in patients with haemophilia. Oxford: Blackwell Science, 2002: 87-91
80 Thorland EC, Drost JB, Lusher JM, et al Anaphylactic response to factor IX replacement therapy in haemophilia B patients: complete gene deletions confer the hlghest risk, Hac,nophilia 1999; 5: 101-05
81 Petrini P, Klementz G Treatment ofacute bleeds ~vith recombinant activated factor VII during immune tolerance therapy. ~laad Coagul Fibrinolysis 1998; 9 (suppl l): S 1 43-46 .
82 Kren BT, Bandyopadhyay P, Steer CJ. In vivo site-directed mutagenesis of the factor IX gene by chimeric RNA/DNA oligonucleotides, Nat Med 1998; 4: 285-90
83 Kren BT, Parashar B, Bandyopadhyay P, Chowdhurv NR, Chowdhury JR, Steer CJ Correction ofthe UDP-glucuronosyltransferase gene defect in the Gunn rat model of Crigler-Najjar syndrome type I with a chimeric oligonucleotide Proc Natl Acad Sci USA 1999; 96: 10349-54
84 Pasi KJ. Gene therapy for haemophilia Br J Haematol 2001; 1 15: 744-57
85 Kay MA. Manno CS, Ragni MV, et al Evidence for gene transfer and expression of factor IX in haemophilia B patients treated with an AAV vector. Nat Genet 2000; 24: 257-6 1 .
86 Manno CS, Chew AJ, Hutchison S, et al. AAV-mediated factor IX gene transfer to skeletal muscle in patients with severe hemophilia B. Blood 2003; 101: 2963-72.
87 Roth DA, Tawa NE, O'Brien J, et al. Non-viral gene transfer of blood coagulation factor VIII in patients with severe hemophilia A. Blood 2000; 96: 590a (abstr).
88 Roth DA, Tawa NE Jr, O'Brien JM, Treco DA. Selden RF. Nonviral transfer of the gene encoding coagulation factor VIII in patients with severe hemophilia A. N Engl J Med 2001; 344: l 7 35-42.
89 Greengard JS, Jolly DJ. Animal testing of retroviral-mediated gene therapy for factor VIII deficiency Thromb Haemost 1999; 82: 555-61
90 Powell JS, Ragni MV. White GC, et al. Phase I trial of FVIII gene transfer for severe hemophilia A using a retroviral construct administered by peripheral intravenous injection. Thromb Haemost 2001; 86: OC2489.
91 Miller R. Fields PA, Goldspink G, Lee CA, Pasi KJ, Perry DJ. Somatic gene therapy for haemophilia: some counselling issues for today and tomorrow. Psychol Health Med 2002; 7: 1 63-73.
92 Dimicheck D, Miller FG, Fins JS Gene therapy ethics and haemophilia: an inevitable therapeutic future? Haemophilia 2003; 9: 145-52.
93 Hacein Bey-Abina S, von Kaile C, Schmidt M, Le Deist F. A serious adverse event after successful gene therapy for X-linked severe combined immunodefficiency. N Engl J Med 2003; 348: 255-56.
94 Giangrande PLF, Mariani G, Black C. The WFH Haemophilia Centre twinning programme: 10 years of growth, 1 993-2003. Haemophilia 2003; 9: 240-44.

Copyright (C) 2003, Chugoku-Shikoku Regional AIDS Center