厚生省のエイズ治療研究体制
エイズ治療・研究開発センターと拠点病院等の整備充実

● ナショナル・センターができた ●
 厚生省の「エイズ治療・研究推進体制の整備」の中から要点を説明します。最新の治療を提供するために、国立国際医療センター病院の中に、治療・研究・情報及び研修を担当する「エイズ治療・研究開発センター」を設置しましました。専門の医師・看護婦など60人の体制で、専用ベッドと外来を持っています。同時に隣の国立予防衛生研究所(予研)が感染症研究所に改組されました。

● 地方ブロック拠点病院 ●
 患者団体から医療機関の治療レベルに差がありすぎるという苦情が寄せられました。都道府県の拠点病院の診療水準を向上させるため、全国を8カ所に分けて、地方ブロック拠点病院を選定しました。中国四国地方を担当するのが、広島大学医学部附属病院と社会保険広島市民病院と県立広島病院です。

● 中四国エイズセンターのメンバー ●
 文部省は独自に輸血部助手(藤井)の増員を行いました。広大病院にはエイズ予防財団からの派遣医師2名(勝谷、加藤)と看護婦(岩崎)1名、そして情報担当員(小田)が配置されました。これに各病院の医師(桑原、下村)、心理カウンセラー(児玉、一円)、ソーシャルワーカー(塚本、平岡)が集まり、「中四国エイズセンター(代表:高田)」を構成しています。私たちは月例スタッフ・ミーティングを開催し、この地方のサービスの立案などをしています。

● 新しい仕組み作りって大変! ●
 3病院はそれぞれ母体が文部省、厚生省傘下の社会保険庁、広島県と違うので縦割りの予算の流れが複雑で苦労しています。サービスの対象が中国・四国地方全域に及んでいて、まるで道州制です。従来からある仕組みとの整合性や、裏付けになるお金の流れの問題を整理しなければなりません。[TAKATA]